「ニホン」か「ニッポン」か?公式な国号の読みと使い分けの真相
言葉の正確性を極限まで追求する放送・メディア業界では、極めて緻密な運用ルールが敷かれている。公共放送であるNHKでは、原則として正式な国号としては「ニッポン」を使用し、固有名詞についてはその団体や企業が正式に定めている読みに従うという方針を堅持している。たとえば「日本テレビ」は「ニホンテレビ」、「日本航空」は「ニホンコウクウ」と発音する。
一方で、世論の実際の言語感覚を定点観測しているNHK放送文化研究所の調査データを見ると、興味深い乖離が浮き彫りになる。一般市民への意識調査では、普段「ニホン」と発音すると答える割合が約8割に達し、「ニッポン」を大きく上回る。NHKプラスなどの配信サービスで番組を視聴する層が広がるなか、『新日本風土記』のように番組タイトルにあえて「ニッポン」の響きを採用し、情緒や歴史的重みを醸成する演出技法も定着している。