「いいんです!」は弟のネタ?ジョン・カビラ実況伝説と兄弟の真実
「いいんです!」という決めゼリフ。街中やバラエティ番組で幾度となく擦られてきたこのフレーズを、長年ジョン・カビラ本人の名言だと信じ込んでいた人は少なくない。しかし、ことの発端を紐解くと、そこには絶妙なモノマネの連鎖と兄弟のアイデンティティが複雑に絡み合っている。
元々このフレーズをキャッチコピーのように多用していたのは、弟である川平慈英だ。熱血溢れるスポーツキャスターとしての振る舞いや、テンションが最高潮に達した際の口癖として彼が発していた言葉を、お笑い芸人の博多華丸が見事にフックアップ。ものまねグランプリや各種演芸番組で「川平慈英のモノマネ」として大ブレイクさせたことが爆発的な認知につながった。
ところが、二人の声質や語り口、そして溢れ出る情熱的なキャラクターがあまりにも似通っていたため、視聴者の頭の中で兄のジョン・カビラと弟の川平慈英がいつの間にかフュージョン。「ジョン・カビラといえば『いいんです!』」という巨大なパブリックイメージが完成してしまったのだ。ジョン・カビラ自身もラジオ番組などで「それ、僕じゃなくて弟なんですよ」と苦笑交じりに明かすシーンが度々見られたが、今やその誤解すらも温かく受け止める懐の深さを見せている。