2026年、なぜZ世代やデジタルノマドは「旅の守護聖人」のメダルを身につけるのか?世界中で急拡大するお守りジュエリー現象を追う
興味深いことに、カトリック教会の公式な扱いと人々の信仰心の間には、大きなギャップが存在する。1969年、バチカン(ローマ教皇庁)は歴史的実在性が乏しいとされる聖人たちの典礼暦を見直し、聖クリストファーも公式な万聖人カレンダーから除外された。
カトリックの公式なカレンダーから名前が消えたことで、彼の信仰は途絶えるかと思われた。だが、結果はその正反対だった。人々の彼に対する愛着は消えるどころか、教会という組織の管理を離れたことで、より自由で普遍的な「旅のシンボル」として世界中に拡散したのだ。
「バチカンがどう判断しようと関係ない。私にとってこれは、守られているという感覚そのものだ」。ローマの土産物店でメダルを購入したある旅行者は笑いながらそう語った。公式な教義を超えた民衆の強い支持こそが、この聖人の持つ真の力と言えるかもしれない。