面積が正しい地図とは?世界地図の歪みと本当の大きさを徹底解剖
私たちが日常で目にする世界地図の代名詞といえば、1569年にオランダの地理学者ゲラルドゥス・メルカトルが考案したメルカトル図法です。この図法は経線と緯線が直角に交わり、任意の2点を結んだ直線が「等角航路(常に一定の方位角を保って進む航路)」を示すため、大航海時代において羅針盤と航海図を頼りに旅する船乗りたちにとって革命的なツールでした。Googleマップをはじめとする現代のWeb地図サービスでも、局所的な形状が歪まない「Webメルカトル」が標準採用されています。
しかし、平面上で縦横の角度を正確に保ち続ける代償として、赤道から離れて極地に近づくほど面積が加速度的に引き伸ばされるという構造的な歪みが生じます。赤道直下では縮尺の歪みがほぼゼロであるのに対し、緯度60度付近では長さが2倍・面積は4倍に拡大され、緯度80度付近では面積が約33倍にまで膨張します。
その結果、メルカトル図法上では以下のような「視覚的な錯覚」が定着してしまいました。
- グリーンランドの実際の大きさ:メルカトル図法ではアフリカ大陸と同等、あるいはそれ以上に巨大に見えますが、実面積は約216万㎢です。対するアフリカ大陸の実面積は約3037万㎢であり、実際にはアフリカのほうが約14倍も広大です。
- ロシアとアフリカの比較:ロシア(約1710万㎢)は地図上でアフリカ大陸を覆い尽くすように見えますが、実際はアフリカの半分強の広さに留まります。
- スカンディナヴィア半島とインド:ノルウェー・スウェーデンを中心とするスカンディナヴィア半島全体(約115万㎢)が、インド亜大陸(約328万㎢)よりも大きく描かれますが、実際はインドが約3倍の面積を誇ります。