鼻の中のニキビがズキズキ痛む原因は?危険な病気と正しい治し方を徹底解説
鼻の内側に小さなできものができただけで、なぜこれほどまでに耐えがたい激痛が走るのか。そこには鼻腔特有の解剖学的構造と、皮膚感染症の病理が深く関わっています。鼻の中のニキビ 痛い原因を紐解く最大の鍵は、神経の密集度と組織の硬さにあります。
鼻の入り口周辺(鼻前庭)は、外部からの異物侵入を感知するために知覚神経(三叉神経の枝)が極めて密に分布しています。加えて、鼻の皮膚は皮下組織が非常に薄く、すぐ下にある鼻翼軟骨に強固に癒着しています。そのため、炎症によって内部で腫れが生じた際、周囲に逃げ場がありません。組織の内圧が急激に跳ね上がり、知覚神経をダイレクトに圧迫し続けるため、心臓の鼓動に合わせるような「ズキズキ」とした強い拍動痛を引き起こすのです。
さらに、読者が「ニキビ」と呼んでいる病変の正体は、医学的には以下の3つに大別されます。
第1に「毛嚢炎(もうのうえん)」です。鼻毛の根元にある毛包に小さな傷がつき、そこから細菌が入り込んで浅い炎症を起こす病態です。初期段階では白ニキビや赤ニキビに酷似しています。
第2に「鼻前庭炎(びぜんていえん)」が挙げられます。鼻の入り口から鼻毛が生えている粘膜・皮膚の境界領域にかけて、広範囲にびらんや発赤、かさぶた(痂皮)が広がる疾患です。鼻水を手で拭ったり、ティッシュで過度にかんだりする物理的摩擦が引き金となります。
そして最も警戒すべき第3の病態が「面疔(めんちょう)」です。毛嚢炎が悪化し、細菌感染が毛包の深部や皮下組織にまで波及した「せつ(癤)」が、小鼻や上唇周辺などの顔面中央部に生じた状態を指します。硬い鼻の中のしこりを形成し、鼻の外側まで赤く腫れ上がり、患部を触れずとも耐え難い痛みを放ちます。これらの感染を引き起こす主犯格こそが、鼻腔内に常在する「黄色ブドウ球菌 感染」です。健康な成人の約20〜30%の鼻前庭に潜伏しており、粘膜のバリア機能が低下した瞬間に爆発的な増殖を開始します。