あいみょん『愛を伝えたいだとか』歌詞の意味と男性目線の真相考察
本作を語る上で欠かせない最大の魅力であり、多くのリスナーが疑問を抱く核心が「あいみょんが男性目線を採用する理由」です。女性アーティストが異性の視点で恋愛ソングを書く手法自体は珍しくありませんが、『愛を伝えたいだとか』で描かれる男性像は、少女漫画に出てくるような理想化されたイケメンでもなければ、包容力にあふれた聖人でもありません。そこにいるのは、部屋の中で悶々と悩み、言い訳を並べ立て、自尊心と未練の間でジタバタする「実に格好悪い生身の男」です。
あいみょん自身、過去のインタビューやメディア取材で、男性目線の作詞について以下のような主旨の告白を残しています。
「男の子の情けないところや女々しいところが、人間味があってすごく好きなんです。格好いい部分よりも、ひとりで部屋にいるときのウジウジした姿のほうがずっと愛おしいし、リアルだなと感じるんですよね」(当時の音楽メディア取材における発言より要約)
この感性の土台には、音響関係の仕事をしていた父親の影響で、幼少期から尾崎豊、浜田省吾、吉田拓郎、井上陽水といった「男性シンガーソングライターの言葉」をシャワーのように浴びて育った環境があります。男性が抱える特有のロマンティシズム、孤独感、そして強がりの裏にある弱さを肌感覚で理解していたからこそ、憑依したかのように「男の独白」をリアリティたっぷりに紡ぎ出すことができたといえます。