円と直線の共有点は判別式を捨てる?点と直線の距離で計算半減の裏ワザ

円と直線の共有点は判別式を捨てる?点と直線の距離で計算半減の裏ワザについて重要なポイントを解説いたします。最新の情報をお届けします。

大学入試や模試で出題される「円と直線の共有点」に関する典型問題は、主に以下の3パターンに集約されます。それぞれの最速アプローチを整理します。

1. 定数mの範囲を決定する問題

例えば、「円 $x^2 + y^2 = 5$ と直線 $y = 2x + m$ が共有点をもつような定数 $m$ の値の範囲を求めよ」という典型題を考えます。

直線を行列・ベクトル的に扱いやすい一般形 $2x - y + m = 0$ に変形します。円の中心 $(0, 0)$ との距離 $d$ は、

$$d = \frac{|2 \cdot 0 - 0 + m|}{\sqrt{2^2 + (-1)^2}} = \frac{|m|}{\sqrt{5}}$$

共有点をもつ条件は $d \leqq r$(共有点が1個または2個)なので、半径 $r = \sqrt{5}$ より、

$$\frac{|m|}{\sqrt{5}} \leqq \sqrt{5} \iff |m| \leqq 5 \iff -5 \leqq m \leqq 5$$

わずか3行、暗算に近い速度で定数 $m$ の範囲が確定します。判別式を計算した場合に生じる「$x^2 + (2x+m)^2 - 5 = 0$ の展開」という無駄な労力は一切発生しません。

2. 円と直線が接する条件と接線の方程式

接する条件は $d = r$ です。先ほどの例であれば $|m| = 5$、すなわち $m = \pm 5$ と瞬時に求まります。なお、接点の座標 $(x_1, y_1)$ がすでに判明している場合、接線の方程式の求め方は公式 $x_1 x + y_1 y = r^2$ を用いるのが定石です。中心が $(a, b)$ に平行移動している場合でも $(x_1 - a)(x - a) + (y_1 - b)(y - b) = r^2$ で即座に導出可能です。

3. 交点を通る「弦の長さ」を瞬時に出す幾何アプローチ

判別式信者が最も手痛い敗北を喫するのが、円と直線の交点によって切り取られる「弦の長さ」を求める問題です。

連立方程式を解いて2つの交点座標 $(x_1, y_1), (x_2, y_2)$ を求め、2点間の距離の公式 $\sqrt{(x_2 - x_1)^2 + (y_2 - y_1)^2}$ に代入しようとすると、根号の中に分数や無理数が混入し、計算が破綻しがちです。

正解ルートは、直角三角形を作って三平方の定理を用いる方法です。円の中心から直線に下ろした垂線の足を $H$、交点を $A, B$ とすると、$\triangle OAH$ は直角三角形になります。斜辺は半径 $r$、垂線の長さは点と直線の距離 $d$ です。したがって、三平方の定理より弦の半分の長さ $AH$ は、

$$AH = \sqrt{r^2 - d^2}$$

弦全体の長さ $AB$ はその2倍であるため、$2\sqrt{r^2 - d^2}$ だけで求まります。交点の座標を計算する必要は1ミリもありません。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。