たいやきくんB面の真実!なぎら健壱「いっぽんでもニンジン」秘話
「いっぽんでもニンジン」を語る上で避けて通れないのが、オリコンシングルチャートで史上最多となる450万枚以上の累計売上を達成した「およげ!たいやきくん」の存在だ。実は、この怪物的な大ヒット作のB面に収録されていたのが、ほかでもない「いっぽんでもニンジン」だった。
当時のシングル盤レコードにおいて、B面はあくまでA面の付け足し、あるいは「おまけ」程度の扱いを受けることが珍しくなかった。しかし、レコード針を裏面に落としたリスナーたちは、A面の切ない物語とは打って変わったシュールでリズミカルな世界観に強い衝撃を受けたのだ。「ニンジン」「サンゴ」「シマウマ」と数える対象が次々と変化していく作詞・麻生香太郎、作曲・前田利明による極上のアレンジは、A面目的でレコードを購入した数百万の家庭で繰り返し再生されることとなった。
主役であるA面の影に隠れるどころか、A面と同等の熱量で全国の子どもたちに口ずさまれるようになった背景には、一度聴いたら忘れられない楽曲自体の構成力と、計算し尽くされた音作りの妙があった。昭和のレコード文化が生んだ最高峰の「ダブルサイテッド・ヒット」と言っても過言ではない。