五箇条の御誓文をわかりやすく解説!目的・現代語訳と五榜の掲示の違い
五箇条の御誓文は、わずか五つの短い条文の中に、封建社会から近代国家へと脱皮するための革命的な国家像が凝縮されています。当時の原文、読み下し文、そして現代語訳を対比させながら、それぞれの条文に込められた真意を読み解きます。
【第一条】
・原文:一 廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スヘシ
・読み下し:広く会議を興し、万機公論に決すべし
・現代語訳:「広く会議を開き、すべての政治の決定はオープンな議論(世論)によって決めるべきである」
※特定の権力者による専制政治を否定し、諸藩の意見を幅広く取り入れる合議制の方針を示した最重要条文です。
【第二条】
・原文:一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ經綸ヲ行フヘシ
・読み下し:上下心を一つにして、盛んに経綸(けいりん)を行うべし
・現代語訳:「身分の上下を問わず、官民が心を一つにして、国を治め整える事業(国家運営)を積極的に推進していくべきである」
※士農工商という従来の厳しい身分制度の枠組みを超え、国民全体が団結して国難に立ち向かうことを呼びかけています。
【第三条】
・原文:一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
・読み下し:官武一途庶民に至るまで、各々その志を遂げ、人心をして倦まざらしめんことを要す
・現代語訳:「公家や武士だけでなく一般庶民に至るまで、誰もが自分のやりたいことや志を成し遂げられるようにし、人々の向上心や気力を失わせないようにすることが不可欠である」
※個人の自由な自己実現や適材適所を重んじ、社会の活力を引き出す近代的な人権思想の萌芽が見られます。
【第四条】
・原文:一 舊來ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ
・読み下し:旧来の陋習(ろうしゅう)を破り、天地の公道に基づくべし
・現代語訳:「これまでの不合理で古い悪習をきっぱりと捨て去り、普遍的な世界のルール(国際法・人類の道理)に従うべきである」
※盲目的な外国人排除を叫ぶ「攘夷論」の過ちを認め、世界標準の国際秩序に参加する決意を明示しています。
【第五条】
・原文:一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ
・読み下し:知識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし
・現代語訳:「先進的な知識や技術を広く世界から学び入れ、国家の強固な礎を力強く築き上げるべきである」
※鎖国政策を完全に過去のものとし、西洋文明を積極的に導入して近代国家を建設する開国和親の方針を掲げました。