桜坂オーフィルドゥジュールの全貌!本場パリ仕込みの味と行列の真相
同店のオーナーパティシエである吉開智弘(よしがい ともひろ)氏の経歴は、日本の洋菓子界においても傑出しています。福岡県出身の吉開氏は、日本国内の名門ホテル「ホテル西洋銀座」などで研鑽を積んだ後、単身本場フランスへ渡航。そこで出会ったのが、世界屈指の最高級パラスホテルとして名高い「ル・ブリストル パリ(Le Bristol Paris)」でした。
ル・ブリストルのシェフパティシエであった伝説的巨匠、故ローラン・ジャナン(Laurent Jeannin)氏に師事した吉開氏は、その類まれな感性と正確無比な作業精度を認められ、外国人でありながら同ホテルのスーシェフ(副製菓長)に就任。世界最高峰の美食を求める王族やVIPを相手に、最前線でデセールを提供し続けました。
吉開氏は当時の特番インタビューや手記において、「フランス菓子における本物の味覚とは、甘さや酸味の強弱ではなく、素材同士が引き立て合う『香りのレイヤー』にある。ジャナン氏から学んだのは、レシピの数字ではなく、空気を含ませるタイミングや素材への敬意そのものだった」と述懐しています。この言葉通り、吉開氏が作るガトーには、伝統的なクラシックフレンチの重厚な骨格と、現代的な軽やかさが奇跡的なバランスで同居しているのです。