『イニシエーション・ラブ』最後の2行のネタバレ!すべてが覆るトリック解説

『イニシエーション・ラブ』最後の2行のネタバレ!すべてが覆るトリック解説に関する専門家の意見を詳しく解説いたします。

本作の構造は、カセットテープになぞらえて「Side A」と「Side B」に分かれています。読者は無意識のうちに「Side A(静岡編・過去)」から「Side B(東京編・現在)」へと時間が連続して流れていると錯覚させられます。しかし、この時間認識こそが乾くるみが仕掛けた最大の叙述トリックでした。

真相における2人の登場人物の正体は以下の通りです。

【Side Aの主人公:鈴木夕樹(ゆうき)】
静岡の大学生で、奥手で太った理系男子。合コンの数合わせで呼ばれ、歯科助手のマユ(成岡繭子)に一目惚れする。マユから名前の夕樹(ゆうき)をもじって「たっくん」というあだ名を付けられ、彼女に釣り合う男になるために猛ダイエットと車の免許取得に励み、洗練された男性へと変貌を遂げていく。

【Side Bの主人公:鈴木辰也(たつや)】
一流企業に勤める静岡出身の社会人で、元々マユと付き合っていた本物の恋人。辰也(たつや)だから元祖「たっくん」。東京本社への転勤が決まり、静岡と東京の遠距離恋愛がスタートする。東京で洗練された大人の女性・石丸美也子と出会い、次第に静岡のマユを重荷に感じ始め、最終的にマユを捨てて美也子へと乗り換える。

時系列を整理すると、Side AとSide Bは前後関係ではなく、1987年7月から12月にかけて静岡と東京で「完全に同時進行」していた出来事でした。東京の辰也がマユを蔑ろにして美也子と逢瀬を重ねていたまさにその裏で、マユは静岡で合コンに参加し、新たな「たっくん」こと夕樹を着々と自分好みの男へと育て上げていたのです。

石川 優花

石川 優花

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。