なぜ心震わす?『ちいさな冒険者』誕生秘話とハンバート自演版の真価
アニメ第1期がスタートした際、視聴者に強烈なインパクトを与えたのが「オープニングとエンディングの鮮烈な落差」でした。ドタバタ劇のテンションから一転し、どこか懐かしい夕暮れの風景を想起させるアイリッシュ・カントリー調のアコースティックサウンド。このハンバートハンバートとこのすばのタイアップ経緯には、制作陣の明確なビジョンが存在していました。
音響監督やアニメーション制作スタッフが求めたのは、「過酷でバカバカしい冒険を終えたパーティが、夕暮れの街へ帰り、温かいシチューを食べるような安らぎ」でした。そこで白羽の矢が立ったのが、日常の機微や生活の哀歓をアコースティック楽器の温もりで描き続けてきた佐藤良成です。普段は深夜アニメの世界と接点が少なかったフォーク界の名手が劇伴・主題歌制作陣と共鳴し、アニメソングの枠に収まらないエバーグリーンな名曲が産声を上げました。