阪神黄金期を支えた名参謀・島野育夫の美学と独占証言で迫る真実
鋭い眼光と厳しいノックで「グラウンドの鬼」と恐れられた島野だが、ひとたびユニフォームを脱げば、誰よりも細やかな気配りを見せる温かい人物だった。若手選手がスランプに苦しんでいれば、夜遅くまで宿舎の部屋で杯を交わしながら話を聞き、裏方スタッフへの感謝を忘れることは決してなかった。
選手たちの体調の変化や家庭の事情にまで心を配り、チームの一体感を醸成する。厳しさと優しさを絶妙なバランスで使い分ける彼の生き様は、単なる野球の指導者を超えた一人の人間としての魅力を放っていた。作品の中で明かされる遺族や恩顧を受けた選手たちの涙の証言は、観る者に深い感動を与えずにはおかない。