50M走の世界記録は何秒?ボルト驚異の通過タイムと五輪にない真相とはどのようなものなのか? 背景や要点を整理してお届けします。
50メートルという極小の距離で発揮される人間の運動性能を客観的に理解するためには、他の短距離種目とのタイムや時速の比較が欠かせません。以下に、公認記録およびボルトの通過記録、そして日本記録を網羅した詳細データをまとめました。
種目・対象記録保持者(樹立年)タイム・詳細データ平均時速/編集部の見解男子50m(室内公認世界記録)ドノバン・ベイリー(1996年)5秒56(電動計時)時速32.37km
室内特有の反発とスタートの爆発力が生んだ不滅の金字塔男子50m(100m通過非公式最速)ウサイン・ボルト(2009年)5秒47(分析スプリット)時速32.91km
公認記録を0.09秒凌駕。人類が50mを最速で駆け抜けた瞬間男子50m(室内公認日本記録)朝原宣治(2002年)5秒75(電動計時)時速31.30km
フランス・リエヴァンで樹立。世界水準の初速を証明した記録男子60m(室内公認世界記録)クリスチャン・コールマン(2018年)6秒34(電動計時)時速34.07km
現代室内陸上のメイン種目。圧倒的なピッチ走法の到達点男子100m(屋外公認世界記録)ウサイン・ボルト(2009年)9秒58(追い風0.9m)時速37.58km
60〜80m区間の瞬間最高時速は44.72kmをマーク女子50m(室内公認世界記録)イリーナ・プリワロワ(1995年)5秒96(電動計時)時速30.20km
女子で唯一5秒台に突入した旧ロシアのスプリンターの金字塔
50m走時速計算を行うと、静止状態(時速0km)からスタートして5秒47で走破した場合の平均時速は約32.91km/hとなります。これは原動機付自転車の法定速度(時速30km)を足だけで一瞬にして追い抜く速度です。
さらに注目すべきは50メートル日本記録男子の数字です。2008年北京オリンピック4×100mリレーの銀メダリストであり、日本の短距離界を牽引した名スプリンター・朝原宣治が2002年2月にフランスのリエヴァンで樹立した5秒75という記録は、樹立から20年以上が経過した現在も破られていません。世界記録との差はわずか0.19秒であり、当時の朝原が誇った低く鋭い飛び出しとスタート直後の一次加速がいかに世界トップクラスであったかを物語っています。