R-1ヨーグルトはインフルに本当に効くか?最新研究と免疫の真実
株式会社明治が保有する数千種類もの菌株ライブラリーから選抜されたのが、通称「1073R-1乳酸菌(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1073R-1)」である。この菌が一般的な乳酸菌と決定的に一線を画す点は、菌体の外側に産生する多糖体(EPS:Exopolysaccharide)の特異性にある。
多糖体(EPS)は、いわば免疫系に対する「着火剤」のような役割を果たす。腸管のパイエル板などに存在する免疫細胞がこの成分を異物として認識すると、サイトカインと呼ばれる情報伝達物質が放出される。その刺激が血流を介して全身へと波及し、自然免疫の主力部隊であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)の攻撃スイッチを入れるのだ。
山形県舟形町や佐賀県有田町などで実施された大規模な住民コホート研究では、この乳酸菌を含む発酵乳を長期間摂取した高齢者グループにおいて、NK細胞の活性上昇と風邪症候群の罹患リスク低下が確認された。単に腸内環境を整えるだけでなく、全身の防衛網を底上げするメカニズムがここに存在する。