なぜテルコに沼るのか?『愛がなんだ』歪な片思いの結末と深層心理

なぜテルコに沼るのか?『愛がなんだ』歪な片思いの結末と深層心理の背景について、最新情報を基に徹底解説します。

直木賞作家・角田光代の原作小説が持つ心理描写の解像度を、今泉力哉監督は極めて映画的なリアリズムへと昇華させた。説明的なセリフを極限まで削ぎ落とし、登場人物たちの沈黙、視線の交錯、台所の生活音やビールの缶を開ける音といった日常のディテールの中に感情を託した。

今泉監督の持ち味である「正解のない会話」と「滑稽で不器用な人間賛歌」が、重苦しくなりがちな原作のテーマに独特の抜け感をもたらしている。テルコたちの愚かな振る舞いを裁くことなく、ただ淡々とそこにあるものとして提示する演出手法によって、観客は居心地の悪さを感じながらも、登場人物たちを愛さずにはいられなくなるのだ。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

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