ブルース・スプリングスティーンの現在|ボスの伝説と名曲の真相
詳細を見る代表作・アルバム名リリース年・売上実績描かれたテーマと背景音楽史的評価と現在への影響明日なき暴走
半世紀にわたるキャリアの中で、ブルース・スプリングスティーンのアルバムやシングルは無数の歴史的傑作を生み出してきました。中でも世界的なメガヒットを記録した『ボーン・イン・ザ・USA』(1984年)は、彼の代名詞であると同時に、ポップミュージック史上で最も深く誤解された楽曲の一つとして知られています。
力強いシンセサイザーのイントロとサビの勇ましいチャントから、一見すると愛国主義的な賛歌と受け取られがちですが、ブルース・スプリングスティーンの歌詞を和訳して精読すると、その実態は全く異なります。描かれているのは、ベトナム戦争に徴兵されて過酷な戦場を生き延びたものの、帰国後に社会から冷遇され、荒廃した労働現場で尊厳を奪われていく若者の絶望と怒りです。当時の大統領選をはじめ政治利用されそうになるたび、本人が断固として拒絶し、曲の真意を主張し続けてきた経緯があります。
これら以外にも、切ないアコースティックの叙事詩『ザ・リバー(The River)』や、映画主題歌としてアカデミー賞歌曲賞を受賞した『フィラデルフィアの街(Streets of Philadelphia)』など、ブルース・スプリングスティーンの代表曲・名曲群は、常に時代の痛みに寄り添いながら紡ぎ出されてきました。