なぜ今「中央分離帯」の激変が日本の交通を支えているのか?2026年、進化する防波堤の最前線
かつて「魔の区間」と恐れられた暫定2車線の高速道路において、主役に躍り出たのがワイヤーロープ式の中央分離帯だ。従来のラバーポール(ポール状の標識)では対向車線への飛び出しを物理的に防ぐことができず、悲惨な正面衝突事故が後を絶たなかった。
強靭な鋼管ポストと複数本のワイヤーロープで構成されるこのシステムは、衝突した車両を単に弾き返すのではない。ワイヤーが大きくしなって衝撃エネルギーを効率よく吸収し、車両を自車線側へと安全に誘導する。導入が進んだ全国の区間では、対向車線飛び出し事故が9割以上も激減した。設置スペースをとらないスリムな設計は、山勝ちで道路幅員に余裕がない日本の地形に極めて適しており、2026年の現在も全国の改修現場で標準装備としての配置が加速している。