ガンダムを創った巨匠・大河原邦男の未公開秘話とメカ設計の全貌
もともとはオンワード樫山でアパレルデザイナーとしてキャリアをスタートさせた異色の経歴を持つ。服の立体裁断や縫製、布地の構造を知り尽くしていた経験が、後の立体把握力に直結した。転職先のタツノコプロで背景美術を手掛ける中、転機となったのが『科学忍者隊ガッチャマン』だ。画面を彩るメカの数々を任され、画面にリアリティを吹き込む専門職としての才能を一気に開花させていく。
その後、株式会社サンライズ(現・バンダイナムコフィルムワークス)とのタッグによって、その活動は決定的な転換点を迎える。単にカッコいい絵を描くだけでは通用しない現場。作画アニメーターが何百カットも描きやすい簡潔な線でありながら、立体玩具として破綻なく成立する構造美。職人としてのストイックな割り切りと卓越したセンスが、アニメーションの現場に「工業デザイン」という概念を根付かせた。