輪転機とは?コピー機との違い・驚異の印刷速度と仕組みを徹底解説
学校現場や役所のバックオフィスで「コピー機と輪転機のどちらを使うべきか」という議論が頻繁に交わされる背景には、印刷方式の根本的な相違とコスト構造の分岐点が存在します。
一般的なオフィス複合機(レーザープリンター・コピー機)は「電子写真方式(静電複写方式)」を採用しています。感光体ドラムにレーザー光を当てて静電気でトナーを引き寄せ、熱と圧力で紙に定着させます。版を作る必要がなく、1部目から極めて高品質なフルカラー出力が可能な反面、1枚刷るごとにかかるトナー代と保守カウンター料金(1枚あたりモノクロ約1.5円〜3円、カラー約10円〜20円)は部数を増やしてもほぼ比例して加算されます。
一方、オフィス向けのデジタル輪転機は「孔版印刷方式(サーマル製版)」を用います。原稿のデータを読み取ると、熱ヘッドでフィルム(マスタ)に微細な穴を開けてドラム(版胴)に巻き付けます。ドラムの内側からインクを押し出し、穴から染み出たインクを用紙に押し当てる構造です。版(マスタ)を作るのに数十円の固定コストがかかるものの、一度版を作ってしまえば、用紙代と微量のエマルジョンインク代しかかかりません。
印刷コストの分岐点としては、「同一原稿を約30部以上刷るかどうか」が境界線です。1〜10枚程度の出力であれば、マスタ作成費(1版あたり約20円〜50円)がかかる輪転機の方が割高になります。しかし、学年集会用の資料や全校配布プリントのように数百部単位になる場合、デジタル輪転機を使うことで印刷コストをオフィス複合機の1/5〜1/10近くまで圧縮できます。