Tugカットオフ値は何秒が危険?13.5秒と11秒の真相を徹底解明

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日々のリハビリ室や通所介護施設を綿密に取材すると、測定マニュアル通りの厳密な運用が必ずしも維持されていない実態が浮き彫りになります。

首都圏の回復期リハビリテーション病院に勤務するベテラン理学療法士は、現場で多発するエラーについて次のように証言しています。

「最も多いトラブルは椅子の仕様と声かけです。椅子の座面高が40cmなのか45cmなのか、肘掛けを使うのか使わないのかで、立ち上がりにかかる時間は平気で1秒近くブレます。また、患者さんに『急いでください』と急かしてしまうと、転倒恐怖心から足がすくんでしまい、本来の歩行能力よりも極端に遅いタイムが出るケースが目立ちます」

ネット上の理学療法士コミュニティやSNS上でも、「TUGの秒数だけがカルテに記載され、通常歩行か最大努力歩行かの区別が抜けている」「コーンの半径何cmを回ったかでタイムが大きく変わる」といった現場の苦悩が頻繁に共有されています。

信頼性の高いデータを取得するための正確なTUGテスト測定方法には、以下の厳格な標準手順が存在します。

  • 椅子の条件:標準的な座面高(約40〜45cm)の椅子を使用し、背もたれに深く腰掛けた状態を開始姿勢とする。
  • 計測の開始:測定者の「用意、スタート」の合図とともにタイマーを始動。被験者の体幹が前傾し、臀部が座面から離れた瞬間を捉える。
  • 歩行コース:椅子から正確に3m離れた位置に目印(コーンや目印テープ)を設置し、その周囲を回って再び椅子に戻る。
  • 計測の終了:椅子に戻り、臀部が完全に座面へ着地した瞬間にタイマーを停止する。

この一連の手順において、測定前に1回の練習試行を挟むことが国際標準です。練習を行わずにぶっつけ本番で計測すると、課題の理解不足や戸惑いからタイムが大幅に遅延し、カットオフ値判定の妥当性を損なう結果となります。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。