赤ちゃんが激しく首を振る理由は?病気のサインと小児科の受診目安
てんかんのような重篤な脳神経疾患ではないものの、乳幼児期に極めて高頻度で発生し、首振りの引き金となるのが「耳のトラブル」、とりわけ急性中耳炎および外耳炎です。
赤ちゃんの耳管(中耳と咽頭をつなぐ管)は、成人管に比べて「太く、短く、水平に近い」という解剖学的特徴を持っています。そのため、風邪を引いて鼻水が出ていると、鼻腔内の細菌やウイルスが容易に中耳腔へ侵入し、激しい炎症と膿の貯留を引き起こします。
生後4ヶ月〜1歳前後の乳児は、「耳が痛い」「耳が詰まって違和感がある」と言葉で表現できません。その結果、以下のような代償行動をとります。
- 首を左右にイヤイヤをするように小刻みにブンブン振る(耳の中の閉塞感や痛みを振り払おうとする)
- 首を振りながら、片方の耳を頻繁に手で引っ掻く、手のひらで強く擦る
- 寝かされると中耳の圧力が上がって痛むため、布団に横にされると激しく号泣する
- 耳の周りや枕に黄色い耳だれ(耳漏)や独特の異臭が付着している
「熱はないのに、ここ数日やたらと首を振りながら耳を触って機嫌が悪い」「鼻水が1週間以上続いている」というケースでは、中耳腔に滲出液が溜まる「滲出性中耳炎」や軽度の急性中耳炎が進行している疑いが濃厚です。耳鼻咽喉科で専用の耳鏡やファイバースコープを用いれば、数分で鼓膜の腫脹や発赤の有無を確定診断できます。