名優・伊武雅刀の真実!デスラー総統から最新作の凄絶な怪演まで
彼のキャリアを語る上で絶対に外せないのが、金字塔的SFアニメ作品『宇宙戦艦ヤマト』におけるデスラー総統役だ。高貴でありながら孤独、冷徹でありながら美学を重んじる宿敵デスラー。そのキャラクターに魂を吹き込んだ低音ボイスは、当時の子どもたちやアニメファンに計り知れない衝撃を与えた。
単なる敵役の域を超え、美学と悲哀を漂わせるデスラーの言動は、彼の声によって完成されたと言っていい。当時の声優業界においても、劇団出身の俳優が声のみでこれほどの立体的な情念を表現した例は極めて稀だった。マイクの前に立つだけでキャラクターの宿命を表現してみせた仕事は、アニメ史に刻まれる不朽の名演である。