社会的割引率4%見直しの真相!将来世代と公共事業を変える新基準

社会的割引率4%見直しの真相!将来世代と公共事業を変える新基準の詳細解説をご紹介します。最新トレンドがチェックできます。

社会的割引率の恐ろしさは、複利計算のメカニズムによって遠い将来の価値が指数関数的に消滅する点にあります。現在価値の計算方法は極めてシンプルであり、将来の年数(t年)と割引率(r)を用いて「将来価値 ÷ (1 + r)^t」で算出されます。

仮に、巨大堤防の建設やCO2削減プロジェクトによって「50年後に100億円相当の水害被害を防ぐ」あるいは「100年後に100億円の地球規模被害を回避する」という便益が見込まれるケースを想定してみます。現行の4%で計算した場合、50年後の100億円は現在価値に換算するとわずか約14.07億円にまで圧縮されます。さらに100年後となると約1.98億円、つまり元の価値の98%が机上の計算だけで消滅してしまうのです。

これがもし割引率2%であれば、50年後の価値は約37.15億円、100年後でも約13.80億円として評価されます。割引率を1%台まで落とせば、将来価値の目減りは大幅に緩和されます。つまり、現行の4%という高すぎるハードルを課し続けることは、「50年後以降を生きる将来世代の命や財産は、現在の私たちが手にする短期的な利益の数分の一から数十分の一の価値しかない」と宣言しているに等しい構造を意味しています。

項目・評価基準詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価日本現行基準(国交省等)年率 4.0%(全事業一律適用)バブル崩壊期の民間投資利回り(過去データ準拠)超低金利時代において高すぎ、超長期の脱炭素・防災事業を不当に阻害。米国連邦政府(OMB改訂基準)実質 2.0%前後(従来の7%/3%から引き下げ)30年長期実質利子率の推移を反映(Circular A-4)環境政策や格差是正の便益を正当に評価するグローバルスタンダードへ移行。英国財務省(グリーンブック)初期 3.5%(30年超で段階的に減衰、最長で1.0%)社会的時間選好率(STPR)アプローチ遠い将来ほど割引率を下げるスライディング方式を採用し、世代間公平性を担保。気候変動対策(スターンレビュー)約 1.4%(純粋時間選好率はほぼゼロと定義)倫理的アプローチ(将来世代を現在世代と対等に扱う)炭素の社会的費用(SCC)を高く算定し、即座の巨額脱炭素投資を正当化。
中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。