名店が明かす麦とろ御膳の劇的進化!極上出汁ブレンドと黄金比率
とろろの命は出汁にある。だが、その常識すら塗り替えられつつある。これまで主流だった鰹と昆布の一番出汁に留まらず、名店たちがこぞって導入しているのが「重層的ハイブリッド出汁」だ。本枯節の力強いイノシン酸に、低温抽出した利尻昆布のグルタミン酸、さらに焼きあごの香ばしさと干し椎茸のグアニル酸を緻密に計算して重ね合わせる。これにより、強い粘りを持つ芋に負けない、圧倒的な旨味の骨格が完成する。
取材で明らかになったのは、名店が門外不出としてきた「芋と出汁の黄金比」だ。粘度の強い自然薯を使う場合、芋1に対して極上出汁は2.2から2.5の比率が現代の至高とされる。すり鉢の内側に施された無数の溝を使い、空気を抱き込ませるようにリズミカルにすり下ろす。出汁は決して一度に加えてはならない。大さじ1杯ずつ、まるで上質なマヨネーズを乳化させるかのように丁寧に馴染ませていく。仕上げに煮切りみりんと香り高い薄口醤油、そして隠し味にほんの数滴の煎り酒を忍ばせることで、後味に爽やかなキレが生まれるという。