なぜシャツのボタンは男女で逆なのか?歴史の真相と2026年の新常識

なぜシャツのボタンは男女で逆なのか?歴史の真相と2026年の新常識の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

日本人がシャツの前合わせに違和感を覚える背景には、伝統的な和服の文化と西洋から輸入された洋服文化の間に横たわる「右前」という言葉の解釈のズレがあります。

和服と洋服の前合わせの違いを整理する際、まず押さえておくべきなのは、着物においては性別を問わず全員が「右前」で着用するという絶対的なルールです。和服でいう右前とは、「自分から見て右側の身頃を先に胸元へ当て、その上から左側の身頃を重ねる」着方を指します。相手から正面を見たときには衿元がアルファベットの小文字の「y」の形に見える状態です。左側の衿を先に肌へ合わせる「左前」は、亡くなった方に着せる死装束(経帷子)の合わせ方とされ、日常では固くタブー視されてきました。

この和服の感覚を持ったまま洋服の世界に入ると、定義のねじれが発生します。洋服における「男性の右前」とは、右身頃が上に重なる状態を指します。つまり、和服の作法(左身頃が上)とは上下の重なりが正反対になるのです。一方で、女性用の洋服は左身頃が上に重なるため、外見の重なり順だけで言えば和服の着方と同じになります。

「和服は男女とも左身頃が上なのに、なぜ洋服は男性が右身頃を上にするのか」「洋服の女性用は和服と同じ重なりなのに、なぜ留め具は逆なのか」といった混乱は、言葉の定義と文化のルーツが混同されているために生じています。スーツの前合わせマナー男女においても、現代のビジネスシーンでは「男性は右身頃が上、女性は左身頃が上」が国際標準規格として厳格に定められており、就職活動や公式行事ではこの伝統的ルールを守ることが基本とされてきました。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。