冠位十二階の真相|聖徳太子が狙った人事革命と色の序列を暴く

冠位十二階の真相|聖徳太子が狙った人事革命と色の序列を暴くに関する深掘り解説を分かりやすく解説いたします。

一般に「実力主義の幕開け」と称賛される冠位十二階ですが、古代史研究の現場ではその適用範囲を巡る興味深い実態が明らかになっています。最大のポイントは、「最高権力者であった蘇我氏(蘇我馬子など)はこの冠位を帯びていなかった」という歴史的事実です。

当時の蘇我氏は「大臣(おおおみ)」という朝廷最高位の地位に君臨しており、冠位制度の上位、すなわち制度を授与・統括する「枠外の特権層」に位置していました。この事実から見えてくるのは、冠位十二階が決して一朝一夕にすべての世襲権力を解体したわけではなく、大豪族の特権を侵害しない範囲で、中下層の官僚層を大王(王権)の直属部隊として囲い込むための現実的な妥協の産物だったという側面です。

しかし、この制度がもたらした突破力は絶大でした。その最たる例が小野妹子の冠位昇進です。妹子は遣隋使出発時に「大礼(第5位)」でしたが、隋の皇帝・煬帝との極めて困難な外交折衝を成功させて帰国した功績を高く評価され、一気に最高位である「大徳」へと引き上げられました。家格にとらわれない抜擢人事の成功例が示されたことで、官人層の間に「能力と成果で身を立てる」という強烈なモチベーションが芽生えたのです。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

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