味の三平の真実|札幌味噌ラーメン発祥の味と2026年現在の混雑・評判
札幌の地に味噌ラーメンが生まれたのは、昭和30年(1955年)頃のことでした。味の三平の創業者である大宮守人(おおみやもりと)氏は、当時主流だった醤油や塩味の澄んだ中華そばに対し、「医食同源」「一杯で栄養が完結する滋養食」という強い信念を抱いていました。
守人氏が着目したのは、日本の伝統食である「味噌」と「豚汁」でした。スイスの食品メーカー・マギー社の社長が来日時に残した「日本人はもっと味噌の栄養価を評価すべきだ」という談話に触発された守人氏は、試行錯誤の末に豚骨や野菜から引いたスープに味噌ダレを合わせ、野菜を強火で炒めて煮込む独自の手法を編み出しました。
この画期的なスープを受け止めるために欠かせなかったのが、麺の進化です。当時、製麺所を立ち上げたばかりの西山製麺・西山孝之氏らとともに、スープがしっかりと絡み、コシが持続する「多加水熟成の黄色いちぢれ麺」を共同開発しました。この麺の開発こそが、今日に続く「札幌ラーメン」のアイデンティティを決定づけた歴史的転換点です。
当時の常連客が「店主、丼に味噌汁を入れて麺を泳がせてみてくれ」と頼んだことが発祥の引き金になったという逸話も残されていますが、守人氏の自著や当時の取材記録を紐解くと、何年も前から栄養バランスと味の調和を追求し続けた計算尽くの必然であったことが窺えます。