「危険を冒して」は誤り?犯して・侵してとの違いと正しい使い分け全解説
「冒して」という言葉をより深く理解するために、国語学的な語源と文法規則、そしてグローバルな表現との対応関係を整理します。
冒す 読み方 活用形と文法的特徴
「冒す」の読み方は「おかす」です。サ行変格活用などではなく、サ行五段活用の動詞に分類されます。
- 未然形:おか・さない / おか・そう
- 連用形:おか・し(「〜て」が接続して「冒して」となる)
- 終止形:おか・す
- 連体形:おか・す(時 / こと)
- 仮定形:おか・せば
- 命令形:おか・せ
「冒」という漢字そのものは「頭にかぶる」「覆いかぶさる」という象形に由来し、転じて「覆いかぶさってくる災難や危険の下を突き進む」という意味を持つようになりました。したがって、危険を冒して 意味とは単に危険な状態にあることではなく、「損害や危害を受ける確率が高いことを承知のうえで、あえて行動を起こす」という主体の主体的な覚悟を含んでいます。
冒す 使い方 例文
日常会話や報道、小説などで用いられる典型的な用例を確認しておきましょう。
- 「救助隊は二次災害の危険を冒して、倒壊現場へと突入した。」
- 「激しい嵐を冒して出航した船が、無事に港へ帰還した。」
- 「どれほど高いリターンが見込めるとしても、企業の存続を揺るがすリスクを冒すわけにはいかない。」
冒して 英語表現との比較
英語圏のビジネスやニュース表現と比較すると、「冒す」の持つニュアンスがより立体的に浮かび上がります。
- take a risk / take risks:「リスクを冒す・危険を冒す」の最も標準的な英語表現。
- brave the elements / brave the danger:「風雨を冒して進む」「危険を冒して立ち向かう」のニュアンスに合致。
- run the risk of 〜:「〜の危険を冒す(危険にさらされる)」という結果への懸念を含む表現。