伝説のデザイナー桂由美、パリコレ未公開秘話と受け継がれる執念
1960年代初頭の日本において、ウェディングドレスを着て挙式する花嫁は皆無に等しかった。そのような時代に立ち上がった彼女は、東京・赤坂に日本初のブライダル専門店「桂由美ブライダルハウス」をオープンさせる。周囲からは「誰も買わない」「正気の沙汰ではない」と冷笑されたが、彼女の意思は微塵も揺らがなかった。
彼女が目指したのは、単なる西洋の模倣ではない。日本人の体型を最も美しく見せる独自のシルエッティ、いわゆる「ユミライン」の開発だ。伝統的な友禅染や真珠、繊細な刺繍技術をドレスに取り入れることで、東洋の美意識と西洋の華やかさを兼ね備えた唯一無二の世界観を構築。やがて日本のブライダル業界全体を牽引する巨大な旋風を巻き起こしていった。