2026年型シフォンケーキの新境地:「膨らまない」を過去にするプロの科学と、米粉が生む奇跡の食感
オーブンから甘い香りが漂い、黄金色のドーム型が完成した。しかし、ここで油断してはならない。シフォンケーキは熱源から取り出された瞬間から、自重によって萎み始める運命にある。焼き上がったら、即座に20cmほどの高さから型ごと台にトントンと落とし、内部の熱い蒸気を逃がす。そして間髪入れずに逆さに瓶などに挿して冷却する。
この「逆さ冷却」によって、重力によって縮もうとする生地を引き伸ばしたまま固めることができる。完全に冷めるまで最短でも2時間、できれば一晩置くことで、水分が生地全体に均一に行き渡り、しっとり感がピークに達する。型外しもナイフを使わず、手で優しく生地を押し込むように外す「手外し」が現在の主流だ。復元力の高い完璧なシフォンなら、潰しても手元を離せば元の美しい形にふんわりと戻る。