パルクールとは?基本技やフリーランニングとの違い・始め方を徹底解説
パルクール(Parkour)の直接的な起源は、20世紀初頭にフランス海軍士官ジョルジュ・エベールが体系化した総合体育思想「メトード・ナチュレル(自然体育法)」にまで遡ります。「強くあるために、役に立つ人であれ(Être fort pour être utile)」を掲げたこの訓練法は、走る・跳ぶ・登る・這うといった人間の根源的な運動能力を極限まで高め、どのような地形でも生き抜くための軍事サバイバル技術でした。
このメソッドを受け継ぎ、1980年代後半のフランス郊外(リス地区)でストリートの規律へと昇華させたのが、元軍人かつ消防士であったレイモン・ベルとその息子ダヴィッド・ベルです。ダヴィッドとその仲間たちは、フランス軍の障害物コース訓練を意味する「parcours du combattant」から着想を得て、語尾の「c」をよりスピード感のある「k」に変えた「Parkour」という呼称を考案しました。
パルクールを実践する男性は「トレーサー(Traceur)」、女性は「トレーシューズ(Traceuse)」と呼ばれます。この言葉にはフランス語で「道を切り拓く者」「弾丸のように素早く駆け抜ける者」という意味が込められており、立ちはだかる物理的な障害物を自己の肉体と精神で克服していく実践者への敬意が込められています。