我妻善逸はなぜ最強に胸を打つのか?無限城編で覚醒する男の美学
クライマックスへと向かう劇場版「鬼滅の刃」無限城編において、我妻善逸の評価は決定的なものとなる。それまでの「眠って強くなるトリックスター」から、自らの意志で目覚めたまま戦う「真の剣士」への変貌。これこそが、ファンが彼に最も熱狂し、胸を熱くする決定打だ。
かつての兄弟子であり、鬼へと堕ちた獪岳との宿命の対決。善逸は眠ることなく、静かに、そして鋭利な怒りを湛えて対峙する。そこで放たれるのが、自らが独自に編み出した「雷の呼吸・漆ノ型 火雷神」である。壱ノ型しか使えなかった男が、誰の真似でもない己だけの型で雷竜を顕現させ、過去の因縁を切り裂く瞬間。逃げ続けてきた弱者が背筋を伸ばし、己の罪と向き合って放つ閃光は、単なるバトルの勝敗を超えた魂の救済劇として描かれている。