フルフレックスとは?「実はやばい」の真相とコアタイムなしの落とし穴
フルフレックスの法的な正体は、労働基準法第32条の3に規定されている「フレックスタイム制」の発展型運用です。法律上、フレックスタイム制は「労働者が日々の始業および終業の時刻を自主的に決定して働く制度」と定義されていますが、実務上は大きく2つのパターンに分かれます。
ひとつは、1日のうち必ず働かなければならない時間帯(例:11時〜15時など)を指定する一般的な「コアタイム制」。そしてもうひとつが、この必須時間帯を一切設けないフレックスタイム制コアタイムなし、すなわち「フルフレックス」です。
一般的なフレックスタイム制との決定的な違いは、「会社に拘束される時間帯が完全にゼロである」という点に尽きます。コアタイム制では指定時刻に離席や不在があると遅刻・早退扱いとなりますが、フルフレックスには遅刻や早退という概念そのものが存在しません。極論を言えば、「月曜日は通院のため1時間だけ勤務し、翌火曜日に集中して11時間働く」「昼の12時から始業して夜間に集中する」といった配分が、上司の個別許可なしに個人の裁量で完結します。
制度の根幹を支えるのが清算期間と総労働時間の仕組みです。フルフレックスでは、1日単位で労働時間を管理するのではなく、就業規則や労使協定で定めた「清算期間(通常は1か月単位、最長3か月)」の枠内で「総労働時間」を設定します。たとえば31日の月であれば法定労働時間の総枠は「177.1時間(週40時間基準)」となり、この月間トータルの枠をクリアしている限り、日ごとの労働時間の長短は労働者の自由とみなされます。